発 明 入 門 講 座
〔2週間で知的財産権の基礎知識が身に付く〕
講 師 : 中 本 繁 実    テキスト : はじめて学ぶ知的所有権(工学図書刊)


9日目
「先願(先行技術)調査が必要か」

 出願するときは、特許庁の「特許電子図書館」(東京都千代田区霞が関3−4−3)で、先願があるかどうか、調査をしてから出願してくださいと、学識経験者やお役人は奨めています。それが、本筋だからです。
 誰にでも、簡単な先行技術の確認はできます。「特許電子図書館」に初心者のコーナーがあります。だから、初めての人でも大丈夫です。一度ごらんください。
 しかし、中小企業の特許戦略からすれば、そんなことは、能率の悪い方法です。
 詳しく調べると、2日〜3日はかかります。それでも完全な調査はできません。時々刻々にカイゼンや新しい提案がなされているからです。
 そのすべてを調査していたのでは、仕事になりません。
 そこで、普通は、その職場の人がもっている技術資料を参考にしながら「これはいままでになかった新しい作品です」と、思えば所定額の特許印紙(21,000円)を貼って、特許庁に出願すべきです。その方がずっと安くできます。
 ただ、特許庁では「それは困ります。審査が遅れます。だから、ムダな出願をしないために、調査をしてから出願してください」と、希望しています。


1日目  「産業財産権(工業所有権)とは何か」
2日目  「“発明”とは何か」
3日目  「先発明主義・先願主義・先使用権」
4日目  「同じ日に同じ内容の作品が出願されたら」
5日目  「産業財産権(工業所有権)と著作権との違いは」
6日目  「産業財産権(工業所有権)の保護の対象は」
7日目  「ゲームの遊び方(ルール)は特許?」
8日目  「新規性・進歩性の意味は」
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10日目  「会社で考えた作品(職務発明)は」
11日目  「権利がおよぶのはどこまでか」
12日目  「実施権にはどんな種類があるのか」
13日目  「特許を出願をするときに、試作品も添付するのか」
14日目  「出願審査請求書は、いつ提出するのか」