発 明 入 門 講 座
〔2週間で知的財産権の基礎知識が身に付く〕
講 師 : 中 本 繁 実    テキスト : はじめて学ぶ知的所有権(工学図書刊)


1日目
「産業財産権(工業所有権)とは何か」

 産業財産権とは、あなたの素晴らしい作品を、特許(発明)や意匠(デザイン)などの知的な財産として保護する制度です。
 産業財産権の基礎になっているのは、専売特許条例です。
 専売特許条例は、1885年(明治18年)4月18日に公布されました。
 この法律ができた日を記念して、いま、4月18日が「発明の日」になっています。
 「発明の誕生日」みたいなものです。
 産業財産権制度とは、
 @ 特許(発明)とか意匠(デザイン)を保護する制度です。
 A 具体的には、特許法、実用新案法、意匠法、商標法の四法を含めたものです。

   産業財産権は、
  工業的なものを保護します。
  ※特許庁に手続きが必要です。
 @ 特許法〔発明〕
  ・物の発明、方法の発明
 A 実用新案法〔考案〕
  ・物品の形状、構造、組み合わせの考案
 B 意匠法
  ・物品の形状、模様、色彩のデザイン
 C 商標法
  ・商品「ネーミング」、役務「サービスマーク」

 つぎの説明は、特許法の条文です。条文を読むと、少しむずかしく感じてしまうかも知れませんが、少しだけですから聞いてください。
 「この法律は、発明の保護および利用を図ることにより発明を奨励し、もって、産業の発達に寄与することを目的とする」と、書かれています。
 それが特許法の目的です(特許法第1条)。

 産業財産権の権利期間は何年か
 @ 特許……P:patent
権利期間:出願の日から20年です。
  ただし、医薬品の一部の分野では延長登録の出願をすることにより、存続期間を2年〜5年を限度として延長することができます。
 A 実用新案……U:utility model
権利期間:出願の日から6年です。
※平成6年1月1日に改正されました。
 B 意匠……D:design
権利期間:設定の登録の日から15年です。
 C 商標……TM:trademark
権利期間:設定の登録の日から10年です。
  商標だけは、「商標権存続期間更新登録申請書」を提出すれば、何回でも期間の更新をすることができます。
そのため、商標権は、永久権ともいわれています。


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2日目  「“発明”とは何か」
3日目  「先発明主義・先願主義・先使用権」
4日目  「同じ日に同じ内容の作品が出願されたら」
5日目  「産業財産権(工業所有権)と著作権との違いは」
6日目  「産業財産権(工業所有権)の保護の対象は」
7日目  「ゲームの遊び方(ルール)は特許?」
8日目  「新規性・進歩性の意味は」
9日目  「先願(先行技術)調査が必要か」
10日目  「会社で考えた作品(職務発明)は」
11日目  「権利がおよぶのはどこまでか」
12日目  「実施権にはどんな種類があるのか」
13日目  「特許を出願をするときに、試作品も添付するのか」
14日目  「出願審査請求書は、いつ提出するのか」