発 明 入 門 講 座
〔2週間で知的財産権の基礎知識が身に付く〕
講 師 : 中 本 繁 実    テキスト : はじめて学ぶ知的所有権(工学図書刊)


8日目
「新規性・進歩性の意味は」

 つぎに説明するような発明は、新規性がありませんよ、という理由で、権利が取れません(特許法第29条)。
 @ 特許出願前に日本国内または外国において公然知られた発明
 A 特許出願前に日本国内または外国において公然実施をされた発明
 B 特許出願前に日本国内または外国において頒布された刊行物に記載された
 発明または電気通信回線を通して公衆に利用可能となった発明なお、@を公知(こうち)、Aを公用(こうよう)、Bを刊行物(かんこうぶつ)記載や電気通信回線と、普通簡略化して表現しています。
 すなわち、新しく考えた作品の技術内容に対して「新しさ」が要求されます。
 意匠の新規性(意匠法第3条)は、つぎのように書かれています。
 @ 意匠登録出願前に日本国内または外国において公然知られた意匠
 A 意匠登録出願前に日本国内または外国において頒布された刊行物に記載された意匠または電気通信回線を通して公衆に利用可能となった意匠
 B 前2号(@、A)に類似する意匠をいいます。
 進歩性は「特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる発明にもとづいて容易に発明をすることができたときは、その発明については、同項の規定にかかわらず、特許を受けることができません」と、書かれています(特許法第29条)。

特許法(第29条)意匠法(第3条)
@ 公 知(日本、外国)
A 公 用(日本、外国)
B 刊行物(日本、外国)
電気通信回線
@ 公 知(日本、外国)
A 刊行物(日本、外国)
電気通信回線
B @、Aに類似する意匠


1日目  「産業財産権(工業所有権)とは何か」
2日目  「“発明”とは何か」
3日目  「先発明主義・先願主義・先使用権」
4日目  「同じ日に同じ内容の作品が出願されたら」
5日目  「産業財産権(工業所有権)と著作権との違いは」
6日目  「産業財産権(工業所有権)の保護の対象は」
7日目  「ゲームの遊び方(ルール)は特許?」
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9日目  「先願(先行技術)調査が必要か」
10日目  「会社で考えた作品(職務発明)は」
11日目  「権利がおよぶのはどこまでか」
12日目  「実施権にはどんな種類があるのか」
13日目  「特許を出願をするときに、試作品も添付するのか」
14日目  「出願審査請求書は、いつ提出するのか」