連載 4
元気がいちばん・中本流発明道場
発明配達人 中本 繁実


↓ 発明学校に参加しよう ↓

 @ 実用品からユーモアグッズまで発表される
 アイデアは、どんな作品がヒットするのか予想もつかないところが面白く、不思議です。たとえば、本人は「これは、素晴らしいアイデアだ!」と思っていても、ただの石ころだったりすることもあります。
 いや、磨けばダイヤモンドになるかも知れませんよよ。可能性があるのに、それを実行しない人が多いのです。
 発明家はアイデアを会社に採用してもらって、毎月数10万円(?)のロイヤリティ(特許の実施料)の生活を夢見ています。
 だから、自分のアイデアを商品化に、少しでも近づけようと張り切っています。
 そんな「アイデアを考えることが大好き!」という人たちを応援するため、毎月全国50数カ所で発明学校が開催されています。アイデアに興味のある人なら、学校のことを1度や2度、聞いたことがあるでしょう。
 ここでは、誰でも、自分のアイデアを発表することができます。
また、他の参加者や講師の意見やアドバイスが聞けて、作品を改良するための、ヒントを教えてもらえることもできる貴重な場になっています。
 たとえば、東京都後援の東京日曜発明学校〔東京都新宿区余丁町7−1〕は毎月・第3日曜日(11時〜16時30分)に開校しています。
 では、どんなことをしているかというと、それは、その発明学校(研究会)によって、多少時間や内容は異なりますが、大体は同じです。
 また、講師や集まった人たちが意見を交換しあい、そのアイデアを商品化するために積極的に協力しあう場になっています。
 毎回、10件前後の発表の申し込みがあります。
 その作品の発明者が順番に発表していきます。
 最後に、参加者の投票によってトップ賞を決めています。

 A 意見も賛否両論、だから「発明学校」なのだ
 会場では、発表作品について、ときには議論が白熱します。
 たとえば、「そのアイデアは、素晴らしいと思います。頑張ってください」という人と、
「そのアイデアは、あなたの発想でも何でもありません。すでにあります」
「わざわざ、それを買わなくても問題点は簡単に解決できます」
 ……、という人など、意見が分かれます。
または、「なぜ、会社はこういうものを作らないのでしょうか」、「ものの見方が違うのでしょうか」というような意見もあります。
 その意見に対して、「会社が作らないから、発明家がチャレンジするのです」……、というような意見もあります。
 そして、最後には、「きついことをいわれて、反感をもったかも知れませんが、本当にあなたの役にたつのは、辛口の意見の方です」といって、応援してくれる人もいます。
 出席してみると、本当にここは「発明学校」の役割をしいるのだ、ということが納得できると思います。
いぜん、3K(「キツイ」「キタナイ」「キケン」)の職場は学生に敬遠されていましたが、9K(休憩)だけはいつも大好きです。
 発明の世界でも、成功するための3Kの法則があるんですよ。
 知っていますか?
1Kは、「かわいい」です。
実用性だけでなく、色や形などデザインにも工夫が必要です。
2Kは、「簡単」です。
見た瞬間、商品のポイントがわかる簡単明瞭な商品は売れます。
3Kは、「買いやすい」です。
こんなに便利な商品だから、少しぐらい高くても売れるだろうと、発明者の勝手な思い込みは失敗します。
 衝動買いができる安価な方がヒット商品になる確率は高いです。

 B 無料でアイデア相談ができる
 発明学校で、もう一ついいことがあります。それは、初歩の発明家の人が最初のころ、悩んでしまうことで、感単に解決できることです。
たとえば、「このアイデア、先願があったらどうしよう」、「特許や意匠などの出願書類は、どう書いたらいいのですか」、「売り込みが先ですか、出願が先ですか」などです。
そういうことについて、1対1で個人相談ができるのです。
 したがって、これからアイデアを考えようとしている人も、何かアイデアを考えて、内容がまとまりつつある人も、一度は、この発明学校に出席して、じかに特許や意匠というものに触れていただきたいと思います。発明家にとっては、またとない素晴らしい実務教室です。
発明道場です。
 この発明学校に、5回〜6回くらい出席してください。そうすれば、アイデアの知識と発想力が自然に身につきます。
 この機会に、ぜひ、お友達と一緒に参加してください。
 初参加でも大歓迎です。
 参加費(会場費)は、1回1,000円くらいです。

★ 参考文献として、拙著「発明のすすめ(勉誠出版)」、「発明に恋して一攫千金(はまの出版)」、「はじめて学ぶ知的所有権(工学図書)」をご紹介しておきます。


連載 1  不景気(?)なんてグチッテはダメ、元気な発明家をめざそう
連載 2  成功アイデアの秘訣は、人のため世のために考えること
連載 3  まず、アイデアの目標を立てよう
  ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓
連載 5  テーマの選び方が「及第発明」か「落第発明」のわかれ道
連載 6  あなたのアイデアは、私「知的財産権」が守る
連載 7  特許は発明を、意匠はデザインを保護する
連載 8  メモと落書きがアイデア成功の早道
連載 9  アイデアやデザインは、すぐに特許や意匠に出願すべきか
連載 10  初心者は、とにかく、出願を急いではダメ
連載 11  目標“商品化”を実現するために、何をすればいいのか
連載 12  そして、一気に売り込んでみよう