連載 12
元気がいちばん・中本流発明道場
発明配達人 中本 繁実


↓ そして、一気に売り込んでみよう ↓

 アイデアをもとに、手作りで試作品を作ったら、あとは、アイデアを買う会社に売り込んでみることです。
 売り込みの、鉄則は、アイデアの試作品作りにかけた時間、能力の数倍のエネルギーを使うことが大切だ、ということです。
 ここに、売り込みの手法を簡単に紹介しますから参考にしてください。
 そして、アナタの素晴らしいアイデアを、自分の手で、世に送り出してください。デビュー(商品化)させてください。

 (1) 手紙で売り込んでみよう
 発明貧乏・出願貧乏にならないようにするために、私が1番に推薦したい、売り込みの方法は「これは、私の知的財産権です。ただいま特許出願中(PAT.P)です。私の著作権です。と書いて手紙で売り込んでください」ということです。
 ところが、発明家は、文章が苦手です、といって、しりごみをする人が多いようです。しかし、それは発明家のとりこし苦労です。
 先方は、うまい文章がほしいわけではないのです。
 商品化できるアイデアがほしいのです。
 したがって、最初から、うまい文章にまとめようと気負わないことです。
 そうすると、心がずいぶんラクになり、簡単に書けるようになります。
 それで、アイデアの内容を、400字〜600字くらいにまとめてください。
 それに簡単な説明図を添付してください。
 それでいいのです。簡単でしょう。
 やってみましょう。
 用紙は、会社の担当者が整理しやすいように、A4(横21p、縦29.7p)サイズを使ってください。
 もちろん、アイデアを買う会社の人が、手紙だけを読んで、すぐに“採用=商品化”してくれるなんて都合のいい話は、めったにありません。
 でも、不採用の通知をもらえるだけでも、ありがたいと思ってください。
 ダイレクトメールは、普通3%〜5%の返事があれば、成功だ、と一般的にいわれています。あなただって、一つ一つについて返事はしないでしょう。
 たとえば、約30社に手紙で売り込むと、その中の1社ぐらいが、返事を書いてくれるということです。
 それくらいに思っていると、気持ちがすごくラクになるハズです。
 このアイデアは、あなたが、苦労して、創作したものです。
ここで、手間を惜しんではダメです。
 数社から、色よい返事があって、天秤にかけるぐらいになりましょう。

 (2) 電話で売り込んでみまよう
電話で売り込む場合は、「職業別電話帳」がお薦めです。
「インターネット」で簡単に調べることもできます。
 自分で創作したアイデアに近い業種に的を絞って、メーカーや問屋などに片っ端から、売り込みの電話をかけてみることです。
 すべての会社が、社外アイデアを歓迎してくれるわけではありません。
 だから、発明家のアイデアを採用したことのない、未経験の会社に当たってみると、可能性は高いです。
 もし、あなたのアイデアに「特許出願中(PAT.P)」と書いてあれば、それだけで飛びついてくることもあります。

 (3) 公募雑誌で売り込み先を探そう
気軽にアイデアを売り込む方法は、公募雑誌で売り込み先を見つけて、アイデアコンクールに応募することです。
 発明家と会社を結びつける場であるコンクールが開催されています。
 その詳細は、(社)発明学会などに問い合わせれば、募集要項を教えてくれます。
 ただし「入選=即商品化」というワケではありません。
 それでも、入選を機に、会社と結びつくキッカケは、確実に作れます。

★ 参考文献として、拙著「発明のすすめ(勉誠出版)」、「発明に恋して一攫千金(はまの出版)」、「はじめて学ぶ知的所有権(工学図書)」をご紹介しておきます。


連載 1  不景気(?)なんてグチッテはダメ、元気な発明家をめざそう
連載 2  成功アイデアの秘訣は、人のため世のために考えること
連載 3  まず、アイデアの目標を立てよう
連載 4  発明学校に参加しよう
連載 5  テーマの選び方が「及第発明」か「落第発明」のわかれ道
連載 6  あなたのアイデアは、私「知的財産権」が守る
連載 7  特許は発明を、意匠はデザインを保護する
連載 8  メモと落書きがアイデア成功の早道
連載 9  アイデアやデザインは、すぐに特許や意匠に出願すべきか
連載 10  初心者は、とにかく、出願を急いではダメ
連載 11  目標“商品化”を実現するために、何をすればいいのか
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