連載 3
元気がいちばん・中本流発明道場
発明配達人 中本 繁実


↓ まず、アイデアの目標を立てよう ↓

 ちょっとしたヒラメキを効率良くアイデアを引き出す方法を簡単に紹介しましょう。
 それでは、さっそくですが、整理がしやすいように、入門編・基礎編・実務編に分け、それぞれのポイントになる部分を簡単に解説します。
大切なのは、最初から、「一攫千金を狙うぞ!」と意気込むのではなく気軽に第1歩を踏み出すことです。

(1)《入門編》
 @ 日常生活の中から「不便」を探し出す
「不平・不満」は、アイデアを生むための源泉となります。
 日常の不快なできごとを解決するグッズこそヒット商品の予備軍なのです。
 そこで「チェッ」と舌打ちしたときが、アイデアが生まれる第1歩だ、と思ってください。
 A 小マメにメモを取ろう
 つぎに大切なのが、この日常生活での不快なことをメモしておく習慣をつけておくことです。
 書きためたメモの中から自分でできそうなテーマをピックアップして、その不快なことを解決する方法を考えるといいのです。
 アイデアで成功した人は、みんな「ふと思い出したアイデアは、必ずメモにしました」と口ぐせのようにいいます。それは、前に書いたメモがヒントになって新しい商品が完成することがあるからです。
 そのためにも、ていねいな文字で、しかも図面(イラストやスケッチ)と文章で、きちんと書きまとめておくことが大切です。
 それでは、あなたの、記憶力を試してみましょう。
 たとえば、今日の朝食のおかずは何だったの? と質問してみましょうか。
 それで、一時考えても、きっと「?」と考えてしまうと思います。
 そんなものです。名案は忘れやすいですからメモをとっておきましょう。迷案をたくさんメモしていくと、近い将来、それが組み合わさって名案になります。
 だから、どんな小さなことでもいいです。一日一案を励行しましょう。そうすれば、短期間で、必ず成功案が出ます。
 B 「アイデアはやさしく、楽しい」と自分に言い聞かせる
「アイデアはやさしく、楽しい」と考えることが大切です。最初から「発明は難しく大変だ」と思っていると、アイデアは生まれてきません。また、アイデアで成功するために、ガマンして頭をひねっていてもいい案は浮かんでくるハズがありません。
 だから、アイデアも楽しむ気持ちの余裕が大切なのです。

(2)《基礎編》
 @ ○○○と○○○を組み合わせてみよう
「鉛筆+消しゴム」を組み合わせて「消しゴムつき鉛筆」が生まれました。このように、あなたの身の周りにあるもの、何でも結構です。ですから組み合わせて「A+B=C」みてください。
 最初から、それは、ムリだ、と考えないことです。
 A ○○○と○○○を部分的に取りかえてみよう
 モノの一部分に変化をつけ、かえてみたら、どうなるか、と考えることです。
 たとえば、形や色、音、動きなど……。
たとえば、つぎのように考えるといいのです。円形のバケツの形をハート型にしただけで、ヒット商品になった例もあります。
 B ○○○を大きくしてみよう
 発想力を高める方法として、有効的なのが、すでに商品化されているものをアレンジしていくやり方です。
 いま使っているものでも結構です。まずは、○○○を大きくしたら、どうなるか、と考えてみてください。
 たとえば、カップを大きくしたら、遊園地の乗り物として遊戯具ができます。

(3)《実務編》
 @ 類似のアイデア情報を集めよう
 ある程度のアイデアがまとまったら、つぎは、関連商品のチェックをすることです。さらに、これまでに商品化されている類似商品の情報を集めてください。
 デパートなどアイデア商品の売り場にはじまり特許庁の資料館インターネットのホームページ「特許電子図書館」などで、あらゆる情報を集めることです。
 すでに、商品化になっている可能性だってあります。
 A 類似商品の長所や欠点をまとめてみよう
 情報収集をしているうちに、自分のアイデアと同じものが商品化されていることもあります。
 そういうとき、嘆くことはありません。星の数ほどある発明家のアイデアのうち、商品化されるものは、ごくごくわずかです。
それでも、あなたと同じ考えのアイデアが商品化されていたということは、アイデアの考え方が間違っていないという証明になります。
つぎは、その類似商品の長所や欠点をまとめてください。検討してください。そうすると、新たなアイデアのテーマを見つけることができるのです。

★ 参考文献として、拙著「発明のすすめ(勉誠出版)」、「発明に恋して一攫千金(はまの出版)」、「はじめて学ぶ知的所有権(工学図書)」をご紹介しておきます。


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