連載 1
元気がいちばん・中本流発明道場
発明配達人 中本 繁実


↓ 不景気(?)なんてグチッテはダメ、 元気な発明家をめざそう ↓

 人は誰でも、毎日の生活を楽しくできるように様々な工夫をしています。
 だから、あなたは、もともと発明家なのです。ただ、自分が発明家だ、ということに気がついていないだけのことです。
 そうですよね。昔、発明といえば、エジソンとかワットのような発明家か、大学の学者や企業の一部の研究者がするものだ、と一般に思われていましたからね。
 たしかに、エジソンが発明した電球は、世の中を明るくしてくれました。
 ワットが発明した蒸気機関車も、電信も電話も、現在の生活に大きな恩恵をあたえてくれました。
 ついでに、私(中本)のくらーい(?)性格も明るくしてくれました。
 照明(証明)してくれました。それとは、ちょっと違うという声が外野から聞こえそうです……。その通りです。
 では、私たちの生活に密着した身近なところに目を移して見てください。
 たとえば、台所にも、お風呂場にも、毎日の生活になくてはならない必需品がたくさんあります。
 それらの商品は、大発明家の創作物ではなく、ごくごく普通の家庭の主婦やOL、サラリーマンの人が考えたものです。
 そして、毎日の生活の中で、便利なものを使っています。でも、まだまだ、面倒で使いにくいとか、しゃくにさわるとか、思うようにいかないとか、不快なことが、毎日、つぎつぎに起こってきます。
 その一つ一つが、あなたの発明のテーマ「題材」になる可能性が高いということです。
“困ったネ”になるのです。そうです。問題意識をもってください。そして“うまくやったネ”といわれるようになってください。
 では、ここで、一例を紹介してみましょう。たとえば、洗濯をやっている主婦の人が、これは、面倒だ、と思うものの中に、洗濯物をはさむピンチの整理があります。
 それは、かご(容器)の中に入れておいても、洗濯物を干すときは、両手を使いますから、かご(容器)を持って歩けません。
 また、雑然と入れておけば、今度は使うときに1個ずつ取り出すのが面倒です。
 そこで、使うときに「この作業は、面倒だなー」と気がつくでしょう。そうすると新しい作品が生まれてくるのです。
 人間には、欲望があります。だからどんなにぜいたくな生活をしている人でも、便利な器具が、デパートやスーパーなどで販売されているのを見ると欲しくなります。
 いま使ってるものが、いくら便利なものであっても、今度はそれよりももっと便利なものを欲しくなり、またそれに不満を感じます。
 その不満を満足にかえることがアイデアなのです。
なんだ、そんなことがアイデアだったのか、それなら、私にもできそうだなーと思ったでしょう。
 そこで、少し考えて、すぐに、2つや3つのアイデアを思い出したと思います。
 また、アイデアのヒントを“思いうかべた”でしょう。
 このように、アイデアを考えていた、あなたはすでに発明学校に入学していた1年生だったのです。だから、アイデアの勉強はやろうと思えば、誰にでもいつからでもスタートができるというわけです。
 それは、人間だけがもつ喜怒哀楽の情がアイデアの源泉だからです。
 私達は、明日に向かって、どうしたら、いまよりもさらにいい生活ができるか、と考え続け家庭や職場で活動しています。
 その中で、人間は感情の動物といわれるように思いどおりにことが運べば喜びや楽しさを感じます。不満や失敗が起これば、憤りや哀しみを訴えます。
 一つの動作や現象、あるいは物等を見て、そこに何かを感じると、自然に大きな夢のあるアイデアの世界に入っていくのです。そして、感情を豊かにして、それを自分の意識として受けとめ、悲しみや憤りは、なくしてやろう、喜びや楽しみは、それを2倍にも3倍にもしよう、とする感情の転換がアイデアになるのです。

★ 参考文献として、拙著「発明のすすめ(勉誠出版)」、「発明に恋して一攫千金(はまの出版)」、「はじめて学ぶ知的所有権(工学図書)」をご紹介しておきます。


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連載 2  成功アイデアの秘訣は、人のため世のために考えること
連載 3  まず、アイデアの目標を立てよう
連載 4  発明学校に参加しよう
連載 5  テーマの選び方が「及第発明」か「落第発明」のわかれ道
連載 6  あなたのアイデアは、私「知的財産権」が守る
連載 7  特許は発明を、意匠はデザインを保護する
連載 8  メモと落書きがアイデア成功の早道
連載 9  アイデアやデザインは、すぐに特許や意匠に出願すべきか
連載 10  初心者は、とにかく、出願を急いではダメ
連載 11  目標“商品化”を実現するために、何をすればいいのか
連載 12  そして、一気に売り込んでみよう