ドクターQの
発明連想シリーズ
(11〜20)




発 明 連 想 11
毎日書き続ける事の難しさ
2003/02/16(日)
田中耕一氏が授賞式へ参加した15日間の出来事を文芸春秋にノーベル賞日記として公開している。原稿用紙1枚から10枚を毎日書き続けた彼の非凡な才能に敬服する。 年賀状が年一回の書く作業だとすれば、日記は毎日書く作業である。今年こそ日記を書こうと思いついて元旦から日記を書き始めた人達も多いと思う。 「継続は力なり」といわれているが、そのうち何%の人が続いているだろうか。日記は三日坊主の代表のようにいわれていて、続けるのには相当の根気がいる。 日記の効用は多い。書くことは忘却を防いでくれる。空白ページまでが自分の弱点を教えてくれる。若い頃は何度も日記に挑戦しては途中で放棄してしまった。 しかし結婚を機に変わった。葉書大のホワイトブックに妻と交換日記をしだしたからだ。どちらが書くという事を決めず、いつ誰が何行でも何頁でもというスタイルにした。約一年続いたがその後はB6大の横罫入り単独雑記へと変わった。素直に感情表現した文章は、今読み直すとその頃の新鮮な生活の思い出が蘇る。




発 明 連 想 12
世界平和を実現する方法?
2003-03-16(日)
政府は米国などが提出している対イラク武力行使容認決議案の採決を待たず支持の方針を固め、事実上の攻撃支持を表明した。米国は国連でのイラク攻撃支持国が少ないにもかかわらず、世界1の強大な軍事力で石油埋蔵量2位のイラクを武装解除し、その利権を支配下に置こうとしている。既に20万人以上の米軍が湾岸に集結した。 一旦戦争が起これば一般市民も多数殺傷され数百万人の難民が発生する。戦争は人類の歴史の大部分を占めており、永久に無くならないといわれている。だが、人類は空を自由に飛ぶなど、夢のように思われていた飛行機を発明し宇宙ステーションまである。通信手段も高度に発達した。今こそ人類の英知を結集して独裁国家、貧困やテロのない世界を実現するため、インターネットなどで「世界平和達成の方法」を発案すべきである。 支配者と被支配者の関係は搾取する者とされる者の関係を生み出す。複数の人間が集まり出した時から何らかの優劣の関係ができるが、与えられた思想や信条を盲信するのでなく自由に議論できる関係が理想世界を生む。




発 明 連 想 13
発 明 と 説 明
2003-04-20(日)
この発明連想も1年間続けているうちに、いつの間にか13番目になった。駄作でも多作する中でその作り方のコツを少しは会得できるようになると感じた。
発明での初歩的な誤解についてであるが、何かに役立つ便利な物が出来たときが、発明だと思っている人達も多いと思う。でも、これはまだ発明の入り口で、従来無かったのか、他と比較してどう有利なのか、という点を文章や図面で上手に説明できなければならない。
明細書作成法は発明の必須科目だ。明細書を書くには文や図の才能も必要で、自分でできるレベルになれば、発明品の善し悪しを客観的に判定しやすくなる。
長文が苦手な人は、この500字程度から始めるとよい。料理のレシピも参考になる。名称、材料、調理法の要点、特長などについて、簡潔に説明してある。何事でもだが、先ず、自分が惚れるものを作り、色んな機会を見つけて発表する事だ。その中で人々の貴重な意見もいただける。それを参考にしながら改良を進める。その繰り返しの中から「独自のモノ」を作り出すことが大切だ。




発 明 連 想 14
固定観念を打破せよ!
2003-05-18(日)
「固定観念」という言葉がある。これに囚われている限り、新しい発想は出てこない。ブレーンストーミング、KJ法、NM法、水平思考、逆転思考、類推思考などの、各種の創造発想法がある。これら様々の手法に共通することは、「旧来の固定観念を打破して、新しい見方をして、新概念の発想をせよ!」ということである。
例えば、入試のテストについてだが、試験目的は限られた数の合格者を選抜することだ。合否の発表は受験者の一生をも左右する。テストでは、種々の科目の優劣を調べる。だが、人格優秀であるとは、判断していない。
知能は多くの複雑な因子が絡みあうので、概念の定義はできても、完全なテスト法はない。IQ神話の崩壊は、テスト優秀者が必ずしも成功しないことも原因である。
成功するための単純法則は存在しない。偶然の幸運やその人の性格も大きく影響する。これからの社会は、学力型だけでなく、体力型、創造型、社交型、一芸型、多芸型など、様々な能力を求める時代へと変化している。
常に「打破すべきものは?」という見方をしよう。




発 明 連 想 15
アイデア出力比について
2003-06-15(日)
現在は、情報が洪水のようにあふれ出る時代である。何時の時代でもそうだが、抜き出た人だけが勝利を得られる。抜き出る人は情報の利用が上手である。アイデアの入力に対する出力比が高いといえる。千の情報を見聞きしても、一つのアイデアも出せない人もいる。
一つの情報でも沢山の発想をする人がいる。理解力や記憶力が優れているからだけではない。過去に収集した各種の情報との複合力の高い人だ。同じ人間であるのに、なぜ発想能力の差が大きく開くのであろうか?
また、発想能力が稼ぎ高に反映できる人もあれば、全くそうで無い人も出てくる。だから面白いと言えるのが人生である。親や先祖から頂いたものだけで勝負が決まるのではない。天の計らいも作用し、感謝の源泉となる。
何を見聞きしても、ただ眺めるのではなく、観察することが大切で、何か発明工夫の種になるのでは?という見方が必要だ。私は幸いなことに、種には不自由しなかった。まかぬ種は生えない。発表は種まきであり、一粒の種が何万倍になる日まで、夢をあきらめないことだ。




発 明 連 想 16
手塚治虫作品の偉大さ
2003-07-20(日)
 今年2003年は、鉄腕アトム誕生の年である。誕生日は、4月7日。なんと、お釈迦 様の誕生日の前日にするとは、手塚先生も考えたものである。
 先日、マンガ喫茶に行った。手塚治虫作品を色々と読んだ。「鉄腕アトム」は超有 名な作品だが、「不死鳥」は私の会社の名前でもあり、特に気に入った作品だ。
 そこの漫画喫茶で見つけた本の中で、前から疑問だった子供の頃に読んだ記憶の本 があった。誰の作品なのか、作品名も忘れていたのだが、手塚作品のタッチのように 感じていたので、本を手当たりしだいに引き出しては調べた。本の書き出しの部分が 印象的だったので、最初の数頁を見ればよかった。そしてやっと見つけた。作品名は 「リボンの騎士」だった。やはり手塚作品だったのだ。人間が生まれるときに神が男 女を決定するのに、天使がミスをして、男のような性格の女の子が生まれるてしまう 話が物語の発端だ。
 そこの店では手塚作品が殆ど揃っていた。ひとつの書棚の上から下までぎっしりと 全部の本が手塚作品だということを見て、その天才性に圧倒された。さて、我が身を 省みて、作品(発明品)として世に出ているものが如何に少ないかと猛反省した。




発 明 連 想 17
スポーツを考える
2003-08-17(日)
 「スポーツは体力の維持に役立つ」と一般に思われている。しかし、本当だろうか と少し疑って見ることも必要だ。スポーツをやることは楽しい。プロでは楽しいを通 り越して苦しい状態になっている人も多い。引退する選手などは、「身体がもう言う ことを効かない」「燃焼しつくしました」などと表明したりする。確かに故障の多い 世界だ。特に年を取ってからの怪我は治りにくい。
スポーツを観戦して楽しんでいる人には、怪我などは通常起こらない。ラジオやT Vの中継などで楽しむ人、球技場に行って楽しむ人など人様々である。
 今年は、某球団が18年ぶりに優勝するとのことで、大騒ぎしている。その経済的 波及効果もかなり大きく、数千億円のお金が動くそうである。目聡い連中は、便乗商 法を考案して大儲けを企んでいるとのことである。
 その切れ者?が、「阪神優勝」を商標登録したことで、球団側は慌てており、現在 交渉中とのことである。こんなことで工業所有権を主張するのは、ルール違反?。




発 明 連 想 18
商 標 に つ い て
2003-09-21(日)
 阪神が優勝したことでの経済効果は大きい。便乗商法で儲けている方も多い。阪神優勝を商標登録した人は、球団との交渉決裂で、商品が全然売れてないと聞く。これでは在庫を抱え込みんでしまい、資力の無い企業なら倒産が待っている。大手との交渉では、あまり欲を出し過ぎても駄目である。
 私が開発した対戦ゲーム盤を商標登録しようとしたが、「商標法第4上第1項第11号に該当します」と拒絶された。工業所有権法の条文を調べた後、インターネットでその引用商標の番号入力をして検索した。
 私は出願前に同一文字や類似文字を調べたが、称呼を調べてなかった。該当する商標は外国企業でLSIやアンプなどを作っている会社である。早速、審査業務雑貨審査室の担当者に電話した。商品や役務が100近くも書いてあるので、この分野に関しては登録出来ない。
 これは逆の意味で安心である。阪神球団のように他人に商標を取られる心配をしなくてよい。堂々と商品の展開が出来て、しかも登録料も払わずに済む。




発 明 連 想 19
2.6.2の法則
2003-10-19(日)
 「2.6.2の法則」と聞いて、「これ知ってる」という方もいるだろう。これは、人に関する大まかな分類の仕方である。この法則のことを憶えていれば、何ごとにもめげずに挑戦できる。
 何かの勧誘をする場合に、10人中に2人は、「成る程」と言って誘っている内容に理解を示すが、結局はやらない。反対に、すぐ理解して誘われたことを積極的にやりますという人が10人中に2人は現れる。残りの6人は態度未定、即ち優柔不断の人とも言える人達だ。
 だから、1人や2人誘って断られたからといって諦めないことである。また、態度未定の人に関しては、一回目の誘いでは90%の人が断るが、6回も誘うと90%の人がその誘いに乗るということである。これはセールスマンを目指す人には実用的な心理法則である。
 この法則は営業関係では有名であり、社員教育にも使われている。我々発明を目指す技術系人間も、最低10回ぐらいは売り込みに失敗するのを覚悟して、開発製品の売り込み先への挑戦を諦めないことが大切だと思う。




発 明 連 想 20
ダメ発明のすすめ
2003-11-16(日)
 ダメ発明は何故生まれるのか?、どうすればヨイ発明が生まれるのか?、について 述べてみようと思う。
 そもそもダメ発明とは、世に出なかった発明品のことである。そういえば、随分と ダメ発明を創ってきたなーと思っている人達も多いはずだ。そうした方々の中で、千 以上考えたという方は何人いるだろう?。実際に試作した数が百を超せば、発明は質 的に変化しだす。
 発明品は、通常ダメ発明ばかり生まれて来ると考えて間違いはない。その内、千に 三つ程度の確率で良発明が出る。発明のことを俗に「センミツ」とも言うが、千に三 つぐらいしか世間に認められるような良いものが出ないからだ。だからといって諦め てはいけない。発明好きの方々は、全国に数千人もの集団だ。その方達の中から毎年 ヒット作が生まれてくるのも事実だ。二つや三つぐらい創って何とか当てようという のが間違いだ。
ダメ発明でも良いからどんどん創るべし。そしてどんどん発表すべしだ。その 内、いつかヨイ発明へと質的に変化をしだす。即ち、量発明が良発明への道なのだ。




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