発明のお話し

皆様のアイデア発明の研究活動がより効果的に行われることを願って、 当コーナーには、町の発明家たちの成功談・失敗談・注意するべきこと・感じたことなどを掲載していきます。
皆様も、良い事例や原稿がありましたらぜひ推薦或いは投稿してください。
よろしくお願い申し上げます。

なお、「ドクターQの発明連想シリーズ」は、連続的な掲載となりますので、独立したコーナーにしました。




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私のアイデア人生のはじまり

毛利武郎
 昭和36年に「踏切道改良促進法」が制定され、交通事故防止のため、踏切道の整備が始められ踏切番人を無くして、踏切の警報機、自動しゃ断機が設置され完全に自動化された。
 設計、施工について標準はあるものの総べて不馴の上で設備され使用開始されたように見受けられた。設備の不具合による故障や、外部から原因による踏切事故が多発した。
 踏切設備の障害発生の第一位は、自動車ドライバーの警報無視による無謀運転による。しゃ断桿、(竹竿に黄、黒の交互模様)の折損です。踏切警報機は、電車が踏切の接近地点に進入すると鳴り始めます。しゃ断機は踏切の跨線数により鳴り始めてから4〜10秒の予告時分があり、それから降下し始め6秒でしゃ断完了します。
 ドライバーは、警報機がなり出してもしや断桿がまだ降りていないので警報を無視して道内に進入しますが、混雑もあり通り抜けないうちに、出口のしゃ断桿が降りて閉じ込められ、電車は接近するし危険を感じ、しゃ断桿を折損させ逃走する。しゃ断桿は上下に動作し前後には弱く横からは折損する。
折られれば 昼夜の別なく補修のため出動させられます。こんな状況に眼をつけた業者は、前後にも強い、横から当てられれば45°斜め上に折曲る、折損防止機を考案採用され、全踏切しや断機に取り付けられたが、依然として発生件数は減少しないため踏切道の総点検を実施したところ、折損防止機の横折れを支障する、警報機、電柱、踏切注意の看板、線路内浸入防止の防護柵等々が多数合った。これ等支障物を移転、撤去しないまま設備したためで、その後これ等を工事等により1年間かけて整理しやっと大巾に減少させることが出来た。以上は結果論であるが、便利なよいアイデアは案外簡単に生まれるが、踏切を自動化するときも、折損防止機を設備するときにも設備環境と将来を少しでも考えられるアイデアマンが居ったらと思う。
 踏切の自動化するとき、警報機、しや断機を新設する最良の位置は何処だ、特にしゃ断機については自動車に打つけられる事は始めから 解っていた事柄であるにもかかわらず、電柱や防護柵の影に設置され、しゃ断機は降下時に支障物の横にあって打つけられれば必ず折られる状態にあった。しかも折られ出動し新しい竹竿と交換して帰えてくる。これの繰り返しで、なぜ折れ易すいのか原因の探究もされないまま推移10数年が経過し、やっと折損防止機が改発されたが、これも取り付けろと云われたから取り付けたで対策も実施されなかった。…
 こんな時に私が踏切設備の沢山ある現場管理者として赴任、実情を聞いて最速以上のような改善に取組み、一つ改善するごとに興味と楽しさを覚え、アイデアマンとしての人生の一歩を踏み出し、事故防止に役立てた。
 現在は発明教室のアイデアの開発相談係として後輩の指導の真似事をしております。






私達の日常生活の中からアイデアを見つけよう

毛利武郎
まず「ニガテ」意識をなくそう
 電車に飛び乗ろうとして、間一髪、閉められ、悔しい思いをしたことは誰でもあります。改札からホームにいくときに、電車接近の案内放送が聞こえてきます。京浜東北線の場合、上がり線は男性の声、下り線は女性の声(地下鉄は戸塚→横浜方面は女性、反対は男性)で、急ぐか急がなくてよいか判断、無駄な駆け足はしない。ホームに出るときは、電車の後部、車掌のいるほうへ階段を、車掌はあなたの姿が見えれば、開けて待っていてくれます。成功率は上がります。チョイとした生活の「チエ」です。
長生きの秘訣は
 100歳以上のお年寄りに長生きの秘訣を聞いてみたところ牛乳を飲みなさい、お酒を嗜みなさいと云う。しかし牛乳を飲むと下痢をするから飲まないという方が多い。どの位飲んだら下痢するのか、初めに湯飲み茶碗に3分の1位で、次回に半分とか、下痢する限界をテストしてみてください、そして馴れることです。
お酒の飲み方
 次はお酒、こんな美味しい、しかも飲んで楽しく過ごせるものを、何故飲まない、飲まなきゃ損々、私は50歳位までは、殆どジュースで過ごしてきましたが、その頃、中央鉄道学園の講師を命ぜられ、講師になると先生を始め生徒との交流に宴会が多くなります、顔合わせ、見学旅行、謝恩会の繰り返し、諸先生方も酒の飲めない方が多く人の好い私が集中攻撃を受けてダウン、家に帰れなくなることも度々です。
 そこでどうしたらお酒が飲めるようになるのか?始めに飲ん兵衛の観察から。話題が豊富、なんでもこいで、よくしゃべり好く食べる。話上手、よく笑う、酔うのを忘れているようでした。私も早速実行、しかし不安でビタミン剤を多めに服用して臨席するようにしました。成功しました、お陰でお酒が楽しく飲めます。
 今では、どの位飲めるか分かりません。昔からお米とお酒は、人が生まれた時から割り当てがあるそうで、大飯食いの方は、割り当てを食い潰し、病になり米を薄めて、お粥にて引き伸ばし延命、ついにダウン。お酒飲みも若い頃から大酒を飲んだ人も米やお酒(原料は米)の割り当てを食い潰し病になり、お米もお酒もだめ、点滴に変わります。しかし、今までお酒をたしなまなかった方は、割り当てがそっくり、これから飲み方を覚えても飲みきれない、楽しい人生が送れ長生き出来ます。
 お酒の飲み方を自分で考えてみましょう。以上の他まだありますが、身の回りの「ニガテ」自分自身だけでなく、他人のこぼす「ニガテ」にも挑戦、これを解決することで、あらゆるアイデアも誕生させる教養が身に付くと思われます。
 思い当たる「ニガテ」を「エテ」に変えて下さい。






アイデアは素材探しから

毛利武郎
 洗濯物が乾き、下着の整理をしていた時、突然孫娘が「おじいちゃん蝉取って」と飛び込んで来た。話を聞くと庭の松の木にミンミン蝉が合唱しているとのこと。少年の頃なら素手でトンボや蝉もつかまえたものですが、此の年になっては「チョイトむり」。
 目の前にあるランニングシャツを手に取って「ハッ」と閃めいた。「はい、わかりました、見ていてご覧」。
 ランニングシャツを半分に折りたたみ折り目をホッチキスで10ヶ所程綴じました。そしてシャツの裾の折り返し縫代部を鋏みで切口を設け、そばにあった針金ハンガーの引掛け結合部をペンチで切断、一方の端末をシャツの折り返しにあけた穴に通しながら輪を作り元の穴より取り出し針金の端末10cm位残して結合し、2m程の植木支柱の先端にガムテープを3巻きして固定。これで、蝉採り袋網が出来上り。この間約2分半。
 「おじいちゃんすごい」孫娘はびっくり、早速出陣、松の木の蝉を孫の見ている前で上手に2匹とも捕まえました。 孫は喜んで帰って行きました。帰ってからおじいちゃんとの出来事を特意になって専傅したようでした。身近にある材料を使ってあっという間に作り上げる快感、楽しくなります。
 上記のように、とっさの閃きが出来るようになるには40年もの長期間を要しました。現在100円ショップが繁盛しています。中をのぞいて見るとこれが100円かとびっくりするものが多々ありますが、私は、素材探しに利用しています。
 プラスチック板、パイプ容器、バネ、金物等切断、接着して使えるものが沢山あります。試作品作りにまともな材料は高すぎる。日頃からどんな物が何に使えるか考えておくのも楽しいものです。




         

パソコンは発明に必要

横浜発明振興会 会員 宮田靖雄
 私は、現在機械の設計を営んでいます。昔は製図版に張り付いて、仕事をしていましたが時代とともに、現在ではCAD(キャド)というソフトを使い一日中パソコンの画面とにらめっこをしています。時代の流れの速さに、戸惑うばかりです。
 さて、横浜発明振興会に於いても、8月からは世話人の高橋辰治氏による、「パソコンで立体図」等の指導を行っていますので、興味のある方は一度覗いて見たらどうですか?振興会には、パソコンに強い内田高之氏等、多数の方々がいますので相談にはのってもらえると思います。
平成14年9月8日の「パソコンJW CAD講習会」風景

 私の、仕事以外でのパソコン(インターネット)の利用の仕方を紹介します。
1) 図書館の本を、事前に調べる
  図書の名前、番号を、メモしてから行くようにしています。
  館内にも、検索用パソコンはありますが、何時も行列で混んでいるからです。
  又、総ての本が棚にあるわけではないからです。
 ★メモ:国立国会図書館ホームページ http://www.ndl.go.jp/
2) 展示会を、事前に調べる
  これは、イベントの詳しい内容を把握し、出展品や企業を事前にチェックしておき
  重点を決めて、見るようにしています。
 ★メモ:東京ビッグサイトホームページ http://www.bigsight.or.jp/
3) 公募アイデア募集を見る
  これは、今社会ではどのようなアイデアが欲しいのか解かるからです。
  このサイトでは、伊藤家の食卓でも募集をしています。
  この中に、伊藤家のちゃぶ台(卓袱台)という項目があり見ますと、
  放送で紹介していない、アイデア、裏ワザ等が、毎週60以上あります。
 ★メモ:伊藤家のちゃぶ台ホームページ http://www.ntv.co.jp/ito-ke/
4) よその発明グループを、検索する
  日本中沢山の人たちの活動が分かります。
 ★メモ:全国発明研究会一覧ホームページ
  http://www5e.biglobe.ne.jp/~idea-ama/ichiran.htm
5) 特許庁の図書館を見る
  これは、自分のアイデアと似ている、先願が出ていないか調査して
  同じアイデアの出願を避けるようにするためです。
 ★メモ:特許庁ホームページ http://www.jpo.go.jp/indexj.htm
6) 横浜愛デア研究会を見る
  ここには、横浜発明振興会で活躍している人達の文章や、アイデアの紹介、
  発明品の販売、試作品製造の紹介等、活動状況を掲載しています。
 ★メモ:横浜愛デア研究会ホームページ
  http://www5b.biglobe.ne.jp/~D_and_F/index.html
 インターネットをお使いの方は、是非一度アクセスして、みて下さい。 パソコンは、発明を志す人が使うと便利な道具の一つです。使い方は、まだまだ沢山あると思いますが、自分に合った使い方をすればよいと私は思っています。
 ★メモ:ホームページアドレスを知っている場合の操作方法

 最後に、JR鶴見駅近くの最近流行の「インターネット&漫画喫茶 ゲラゲラ鶴見店」をご紹介します。場所は、「GERA-GERA」ビル5F(1Fは松屋)。 料金システムは、最初の1時間400円、以降延長15分ごとに100円となります。 因みに、この情報もインターネットで調べたものです。 その他、パソコンショップの体験コーナー等も利用して見ては如何でしょうか。







忘れるための記念

管理人 昨日国際引越しの準備として、前長い時間と結構なお金を使って作ったある試作品を壊して処分することになりました。途中でやめたというか失敗発明というか・・・そのようなものです。
苦労したことを忘れられなくて、壊す前に「忘れるための記念」として写真を撮りました。そして、皆様にも参考になるかと思いここに掲載することにしました。

発明品の目的は、学校などで昔話みたいな内容、つまり多くのフレームで見せながら説明する時便利な機材を作ることです。
紙芝居やTVで何かを説明する時、ボール紙やプラスチック板何枚(或いは何十枚)かに描いて(用意して)、一つずつ見せながら説明することをイメージして下さい。そのボール紙の変わりに、内容を布に連続フレームで印刷して(同じものがたくさん作れる)、長持ちさせるために塩化ビニルフィルムをラミネートして作ります。それがカセットテープみたいなものになります。
巻き状になったその「布に印刷したもの」を本発明品にセットして、ハンドルを回すとスライドさせながら見せることが出来るわけです (本番ではハンドルを回すのではなくボタンを押すだけ)。電車やバスで「行き先」の表示が変わる感じです。
違う用途は、白い布に特殊フィルムをラミネートしたものをセットすると連続した「白板」になりますので授業の時便利です。特に移動可能になっている長い定規まで工夫しましたのでさらに便利かと思います。

本発明を始めた理由は、長い教職の経験から必要性の判断もありましたが、勤務先の(ラミネートメーカー)加工技術をいかして斬新な 教育機材を作り出すためでした。
つまり成功するとラミネート加工をうちの会社で出来るので会社にも貢献できると思い、社長と話し合って自分のお金で(勤務時間外に自分の家で)研究を進めてきました。試作品が9割出来上がってから、どのような用途で使うものかを説明したら、偉い社長様は試作品も見ないで興味ないとの結論でした。残念ながら失敗発明としてやめました。
(余談ですが、帰国後自分の学校では作って使うつもりです。)

発明品を簡単に説明すると、正面に白い木が見える長方形の(テレビ画面みたい)面があります。その上から印刷された布が一フレームずつスライドできるわけです。印刷された布が流れる裏面になるところに何で木の板が必要かというと黒板の役割(直接書いたりするため)をもたせるためです。(今セットしてあるものは、本来幅ではないのでイメージをつかみにくいかと思いますが)
一番下の写真は発明品の裏から内部を撮ったものです。

この失敗発明は、多くの先輩達が良く教えてくれる「自分の力で出来るものに挑戦して下さい」という原則に反したから失敗したかもしれません!?